中国で駐在員

30代男、未婚、2016年から中国駐在(企業派遣)

海外駐在員こそ家を買うべき

中国で駐在5年目のカンクローです。

 

海外転勤が決まり日本を出発した当時、僕は20代終盤でしたが、そのころはまだ実家暮らしでした。

 

すでに5年近くが経過し、今後、1年後なのか2年後なのかはわかりませんが、日本に帰ることが決まった際には、東京でアパート(マンション)を借りるか、購入するかして自分の住む場所を確保しようと思っています。実家に戻ることも不可能ではないですが、もう30代ですし、独立していたいという気持ちがあります。

 

海外駐在の可能性がある会社に勤務していると、それがない会社に勤める場合よりもいろんなことを考慮しなければならないのが、「マイホームの購入」だと思います。

 

いろんなパターンや観点があると思うので、これについて僕の考えを書いていきたいと思います。

 

結論から言うと、「海外駐在の可能性がある方は家を買うとすごくお得なんじゃないか?」というのが僕の仮説であり、考えです。

 

日本で住む住居は不要になる

海外駐在が決まると、日本で住んでいた住居は不要になりますよね。少なくとも2年以上、長い場合には5年、7年と海外にいる場合がほとんどですから、多くの方は自分が住んでいる賃貸アパートなどを解約して海外に出られることでしょう。

 

独身の方はもちろん、ご家族がいる方の場合でも、身近な人を見ていると、多くが家族を連れてきており、日本に家は不要という方が多いです。これは、中国の主要都市に駐在しており、ご家族も含めて現地に住むことに大きな問題は無いためだと思います、

 

「日本に住居が必要ないのであれば、買う必要も無い」と思われるのが一般的かもしれませんが、僕が熱心に聞き込みをした結果、日本で家をすでに買っていて、それを他人に貸しているという方も一定数いらっしゃいます。

 

この「海外駐在中に、日本にある家を貸すと言うことが実はとてもお得」なのでは、と私自身は考えています。理由として、海外駐在員時代は住宅手当が手厚く、実質居住費が全額支払われる場合も多い、ということが考えられます。

 

海外駐在では住居費が大部分支給される

以前、海外駐在員の住宅事情について、当ブログでも記事にしたことがあるのですが、海外駐在員は、海外でのオフィスや工場などの近くや、その都市の中心部の何不自由ない場所にマンションやホテルの一室を借りて住める場合がほとんどです。

 

その費用は日本で賃貸マンションを借りる時の補助とは桁違いな場合も少なくありません。例えば、東京では家賃10万円のマンションに家賃補助5万円で住んでいた(実質負担は5万円)のに、上海では家賃20万円(≒13,000元)のマンションに全額補助で住んでいる(実質負担なし)とか、10%(2万円)のみの自己負担率で住んでいいという福利厚生が用意されている例を良く見かけます。

 

海外駐在員の住宅事情こちらの記事も参考にしてみてください。

海外駐在員はどんな生活をしているのか①(大企業編) - 中国で駐在員

海外駐在員はどんな生活をしているか②(大企業編) - 中国で駐在員

 

駐在や転勤時こそ国内マイホームが「資産」に!

海外での住居手当というものは、日本の住み慣れた生活基盤を離れ、海外で一定期間不自由な暮らしを頑張ってくださいね、という名目で支払われる福利厚生ですので、日本に家を持っていようが持っていまいが支払われることが多いです。

 

すなわち、日本に家を買っていると、日本と駐在場所の二か所に家があるような状態になります。日本の家は使用していないも同然ですから、これを誰かに貸して、家賃収入を得られるというわけです。

 

会社にとって、従業員が自分の資産をどのように活用するかに口を出すことはできませんから、自分の家を家賃に出した不動産収入があるからと言って、海外駐在の時の家賃補助が減額されるということはありません。そもそも、日本にある家を貸せる人もいれば、貸せない(貸したくない)人もいるわけで、貸すことにも一定の労力がかかるわけですから、それは正当な「資産収入」になるわけです。

 

海外駐在時に住居費がほとんどかからないにもかかわらず、日本では家賃収入ががっぽり入ってくるという「ダブルインカム」を作ることができるわけです。

 

海外駐在中もローン返済ができてしまう

他方で、多くのサラリーマンは、住宅購入後のローンを何十年も払い続ける前提で購入されており、30代や40代であれば、住宅ローンを返済中の場合がほとんどだと思われます。

 

ご心配なく。上記の考え方は、住宅を買ったばかりで、ローンが残っている場合でも使えるようです。ただ、その場合注意しなければならない点があります。

 

1つ目は、住宅ローン金利の問題です。住宅ローン金利は名前の通り、住宅の購入に用いた借金にかかる金利ですので、それを貸し出す場合、すなわち賃貸経営を行うために借り入れるローンにかかる金利よりも低めに設定されています。

条件にもよりますが、住宅金利(自分が住むことを前提に借り入れた借金にかかる金利)は2021年現在、最も低い場合で年0.4%ほど、高い場合で2%程です。

これに対して、賃貸住宅金利(アパート経営のために借り入れた借金にかかる金利)は3~4%程のようです。

 

仮に1000万円を1年間借り入れていた場合、年利が0.4%であれば、一年間に4万円が借金に積み重なりますが、3%であれば、30万円が借金につみかさなることになります。この差額を見誤ると、家賃収入から得られるうまみは減ってしまいますので注意が必要そうです。

 

もう一点は、自分が駐在中の数年間に都合よく借りたいと思ってくれる客が見つかるのかという点です。この点は、自分が保有するマンションを利用価値の高い、利便性の高い場所にすることである程度解消できるかもしれません。

 

また、この逆に自分が海外駐在から戻ってきた際に、都合よく出て行ってくれるお客であることも重要です。日本の住宅賃貸契約においては、貸主は簡単に(引き続き居住を希望している)借主を追い出すことができないそうです。

この点は、「定期借家契約」という、あらかじめ期間を定めて貸し出すという方ために設けられた契約制度をうまく活用したいところです。

 

実は、時代の変化が関係している

上記の話は、僕が住宅の購入を迷っていた際に相談した不動産仲介業者からも、「よくある例」として聞きます。みんな考えることは一緒なのかもしれません。

 

ただ、この論点には、海外駐在という「日本独特の前時代的な制度」と、結婚後も賃貸でもいいという方が増えてきた(マイホーム離れ)現象、さらには、非正規雇用が増大し、住宅購入のための大きなローンを組める方が減ってきている、という時代の変化も関係していると思います。

 

都心で家族も住めるくらいの便利なマンションであれば、月々15万円ほどの賃料でも借りたいという人が現れると思います。現に、もし今自分に家族がいて、東京に戻らなければならず、住む家が無かったら、それくらいの賃料で借りるしかないと考えているためです。

 

最近は、家族ができる(増える)ことも見据えて、東京で家探し(スーモを見てるだけですが)をしていますので、都内のまともなマンションの賃貸相場観が養われてきておりまして、なんといっても、東京都心の賃貸は「高い」と言うことに尽きます。

 

海外駐在があるような会社にお勤めの方は、大都市圏にその本社がある場合も多いと思いますので、このような話が参考になるんじゃないかなと思いました。