中国で駐在員

30代男、未婚、2016年から中国駐在(企業派遣)

ほとんどの海外駐在員が日本人同士でつるんでいる現状

中国(広州)で駐在員をしているカンクローです。

 

 ブログを始めて二週間くらいが立ちました。2回に分けて駐在員の生活について、簡単に書いてみましたが、もっと細かい部分で、「駐在員の生活」について、今回紹介していきたいと思います。

 

せっかく海外に来たのに、周りは日本人ばかり?

 海外に駐在することの醍醐味は何といっても「環境の違い」ではないでしょうか。仕事とはいえ、せっかく日本じゃない場所に行くんだから、日本には無い非日常を経験してナンボという風に想像する人も多いと思います。

 

 海外駐在で経験できる非日常は、街の様子や建物、食べ物、生活習慣、等々様々です。毎日が旅行みたい、というのは少し大げさかもしれませんが、中国に来て3年が過ぎた僕ですが、中国の日常にはまだまだ楽しめることがたくさんあるように思います。

 

 特に好きなのは現地人とのコミュニケーションです。僕はもう30代のおっさんですが、若く見られる容姿も手伝って、結構中国人の若者たちと遊んでいます。

 

 ですが、周りの日本人駐在員は日本人コミュニティの中で日本人とばかりつるんでいる印象です。大体、7~8割くらいが、日本人同士だけで一緒にいます。

 

 海外にきて現地人と関わらないなら、なんで海外にいるの?と思わず聞いてみたくなる学生のみなさんは多いかと思います。

 

 僕が大学生の時なんて、駐在員という身分がただただ羨ましく、憧れの的でした。行きたくても行きたくても簡単には行けない海外。日頃授業の合間や夜中のバイトでせっせと貯めたせいぜい10万円、20万円を使って、夏休みや冬休みを使ってせいぜい1か月~2か月くらいの「長期」旅行をするのが学生や若者の限界でしょう。

 

 そんな場所に会社の金を使って行ける、給料をもらいながら安定した生活ができる、留学なんかよりもっと濃い現地の人々とのビジネスを通じた真剣なやり取りができる。こんな恵まれた境遇は、日本国内の生活に飽き飽きした純ジャパにとっては、なんとも得難いものでした。

 

 話を戻しますが、なぜ海外に来た駐在員の方々の多くは、日本人と一緒にいるのでしょうか。やはりそこには言葉の問題や好奇心の問題があると思います。

 

やっぱり、言葉は難しい

 実は僕は中国語が少しできます。この話もいずれブログに書こうと思いますが、中国語は、日常生活や友達との雑談、慣れ親しんだ仕事のテーマの会話にはあまり問題ない程度です。

 中国で暮らしていくことにあまり苦じゃなく、日本人コミュニティが恋しい、日本語で話したい、などという感情はあまりないんです。

 

 一方で、駐在員として飛ばされてくるのは、僕のように中国語学習歴がある方々だけではありません。英語圏を希望していたのにという人や、なんとなく会社の配置換えにあって、という人も大勢います。もともと中国に来たいとも、中国語を勉強したいとも、中国人と交流したいとも、中国文化を知りたいとも思ってないわけですね。まあ、僕も別に中国文化には興味が無いです。仕事のために勉強していた感じです。

 

 中国語ができなければ、中国人と交流する機会も少ないです。日本語ができる中国人や、日本語を勉強したがっている中国人と交流する以外は、やはり現地の日本人コミュニティに入り浸る、ということになります。

 

異文化を楽しむ好奇心が失われていく

 20代の頃と比べると、僕も昔ほどがむしゃらに世界に繰り出したいとは思わなくなりました。20代の頃はよく外国でバックパッカーをしたものです。20~30万円程度の貯金があれば十分でした。それだけで安宿を転々とする、何もしない旅行を楽しめた。今はどうかというと、10倍の金があっても、そんなことしたいかわかりません。

 

 「海外に行ってみたい」、「いろんな価値観に触れてみたい」という気持ちが歳とともに薄れていくのは、仕方ないことなのかもしれません。

 

 もしかしたら、僕はそのころから30代になったら、40代になったら、というように自分の好奇心が衰えていくのを恐れていたのかもしれないです。好奇心がなくなって、結局海外に行きたいと思えなくなって、一つのタイミング(機会)を逃していく自分の将来像が怖かったのかもしれません。

 

 40代、50代にもなると、海外特有のねっとりした人間関係(欧米は知りませんが、アジア、中国にはあると思います)が煩わしいという人も増えるのでしょう。日本社会のサービスは世界一級品です。サービスの受け手としては、これほど幸せな国はないです。

  でも、そこに慣れてしまうと、海外の「非日常」はストレスでしかないのでしょう。

 

そもそも、遊びに来たわけじゃない

 海外を楽しめない人もいます。海外に行く希望を出していたわけじゃないとか、そもそも海外で人と交流することとかに興味がない人も少なからずいます。望まぬ方向に自分の人生が進んでいるようで、ある意味不幸なのかもしれません。

 彼らにとっては、海外もまた、不便な日本の地方都市に行くような感覚なのかもしれません。確かにいろんな手当と高い給料をもらえば、そして日本人コミュニティからでなければ、特に中国の大都市では日本と同じような生活ができますからね。

 

 駐在員はそもそも、会社から「その場所で稼いで来い」と言われて飛ばされているわけですから、本来、こんな人間が一番理想なんでしょう。

 

 とまあ、これらがありきたりな、日本人駐在員が陥りやすい日本人コミュニティの人としか関わらなくなっていく原因かなあ、と思います。

 

 ありきたりだと思いますが、本当に、外国になじめない者同士が身を寄せ合うようにして暮らしているのがよくわかります。