中国で駐在員

30代男、未婚、2016年から中国駐在(企業派遣)

実はこんなにおトク!海外駐在員生活のメリットまとめ!

中国で駐在員6年目のカンクローです。

 

海外駐在員は日本社会の中でもかなり特殊な存在です。数千人規模の大企業でも、そのレアな任務を任されるのは、ごくわずか、全社員の数%ほどでしょう。

 

海外生活には慣れないことも多いかもしれませんが、今日は、そんな海外駐在員の生活のメリット、お得な部分をまとめてみたいと思います。

 

1.給料が高い

何といっても、まず初めに来るのがこれでしょう。誰しも、損得を考える時にその最たるものが金銭的な損得なのではないでしょうか。

 

一般的に、日本企業が海外に人を駐在させる際には、毎月の給料に加えて「海外赴任手当」というものを支給します。これは、その駐在先の国や地域の物価や不便さ等によっても変動しますが、私の周囲を見渡す限り、日本でもらっていた給料と同じ金額、あるいはそれ以上の金額が、日本でもらっていた給料に加算されるかたちで支給されるということが多いようです。

 

つまり、日本で年収400万円(手取350万円)程度の冴えないサラリーマンだった方が、海外駐在時には手取600万円というような大企業中年社員並みの好待遇になる場合が多いのです。

 

細かいポイントですが、「手当て」には一般的に税金はかからないため、手取に直に反映されます。手取600万円というのは、額面ベースでの年収が800万円以上のときやっとたどりつく水準だそうです。

 

参考→酒居会計マネーブログ

https://www.sakai-zeimu.jp/blog/archives/7051

 

2.生活費が安い

駐在先の国にもよりますが、発展途上国新興国では物価や生活費が日本よりも安い場合が多いです。私が駐在している中国も経済発展は著しく何かと話題になりますが、食費や居住費を見てもまだ日本の7割以下と言っても過言ではないです。身近なタイやベトナムインドネシア、はたまた南米やアフリカなどの途上国はもっと安いでしょう。

 

上に書いたように、海外駐在員は一般的に給料に加えて「海外赴任手当」で給料が爆アゲしていますから、さらに生活費が下がることで貯金パワーはアップすることになります。

 

海外赴任手当は本来「わが社のために不便な地域に行ってくれてありがとう、少しばかりお金を多くあげるから生活費の足しにしてくださいね」というようなニュアンスが強いものだと思うのですが、実際、物価の安い地域では日本にいた時よりも支出が減った、なんていうことを良く聞きます。

 

かくいう私も、日本で仕事をしていた時は毎月カツカツでしたが、駐在員になってから、日本で元々もらっていた給料分に全く手を付けなくていいほど、「手当分だけでおつりがくる生活」になっています。

 

お金が貯まれば、早期リタイアもできちゃうかもしれませんね。

kankuro127.hatenablog.com

 

逆に、アメリカやヨーロッパ等の主要先進国では「海外赴任手当」も高くなる傾向にありますが、生活費も高くつくため、お得感はあまりないかもしれません。

 

3.家賃補助が手厚い

まだまだ金銭的なメリットが続きます。

 

海外駐在時には家賃補助がスーパーグレードアップすることも珍しくありません。住む場所の家賃はほぼ全額会社が補助、さらには会社のオフィスに通うのに便利な一等地のタワーマンション、お掃除係やプール等のサービス付き、という費用まで会社が出してくれる場合も多いです。

 

日本の生活では、月々の支出の大きな部分を家賃やローン返済が占めるのが一般的です。国内の家賃補助が手厚い企業でも、数万円から50%くらいの家賃補助にとどまるのではないでしょうか。

 

海外では、「海外赴任手当」のような追加の給料をもらっているにも関わらず、(なぜか?)居住費まで会社が手厚く面倒を見てくれます。

 

嬉しいのは、このような制度がどの会社にとってもスタンダードになっていることです。多くの企業が、日本の経済がうなぎのぼりだった高度経済成長期からこのような制度にあまりメスを入れずに今まで来ているからと言うことが考えられます。

 

つまり、ジリ貧になりつつある日本経済をよそ目に、駐在員制度だけは旧態依然のお得をとどめているわけです。

 

日本に家を持っていれば、海外駐在期間だけその部屋を誰かに貸してしまうこともできるかもしれませんね。そんなことを考える方はこちらも参考にしてみてください。

kankuro127.hatenablog.com

 

4.満員電車から解放される

海外駐在員は一般的に会社のオフィスから近いところに住む場合が多いです。これも会社が社員のことを過度に慮って、通勤中に何か事故などに巻き込まれると大変だから、などという理由もあるようですが、会社まで徒歩圏内ということも珍しくありません。

 

大都市圏であれば、自分の会社まで30分なら近い方で、1時間、1時間半かけて毎日満員電車に乗ることもありますよね。体力的にきついだけではなく、どんよりとした閉塞感に包まれたあの空間は毎日の気力を奪っていきます。もう最悪です。

 

それが海外駐在であれば朝8時に家を出たって、歩く途中軽くコーヒーを買っても8時半にはオフィスについている、なんてことが起きるのです。

 

5.日本とは違う雰囲気の中で仕事ができる

海外駐在員は当然海外にいますし、周りにいる同僚も外国人が多いですから、日本とは違う雰囲気の中で仕事ができます。

 

日本人は経済が好調なときも不調なときも、狂ったほどにがむしゃらに働きます。サービス残業という言葉も、我々底辺サラリーマンにとっては、わかっていても逃げられない負の文化ですよね。基本的に、外国人は自分たちのために働いているので、会社のために自己を犠牲にして無理をする人は(日本人に比べれば)圧倒的に少ないです。

 

働く雰囲気とか環境というのは日本よりいいことはあっても悪いことはほとんどないのではないでしょうか。

 

6.労働時間が短く、生活にゆとりができる

これはあまり知られていないことかもしれませんが、海外駐在時は日本の本社などと比べて労働時間が短く、家族と過ごす時間や週末などが充実している場合が多いです。

 

考えられる理由としては、小さいオフィスで裁量権が大きい仕事ができるため、承認や確認の長いプロセスに巻き込まれず、スムーズに仕事ができることや、そもそも外国人が日本人のように長時間労働をしないため、自分も早く帰ることができるということが挙げられます。

 

また、住んでいる場所とオフィスが近ければ、6時に退勤し6時半には家でくつろいでいる、ということも不可能ではありません。

 

そのオフィスが管轄する地域やビジネス上の問題が起これば、自分一人で対処しなければならない等、デメリットとも表裏一体と言えますが、自分のペースで仕事ができる余地は大きい場合が多いようです。

 

仕事も(比較的)楽で、収入も増える、端的に言って最高ですよね。

 

7.外国語や別の社会文化が学べる

5番に書いた環境面と少し似ていますが、英語や現地語などの外国語が自然と身に付くのも、海外駐在によって成しえる重要な変化ですね。

 

日本にいれば会社帰りに必死に語学スクールに通って、時間を費やして、つまらない会話の練習をしながらテストのために勉強、なんていうのが語学習得までの王道ですが、海外にいれば、普段レストランにいる時の注文から、同僚と話すとき、旅行するとき、何もかもで外国語会話のトレーニングができます。

 

同時に、日本と異なる社会に触れることができれば多様な考え方を身に着けることができ、日本社会のどんよりした空気にも客観的な考えを持ったり、深く悩むことは無くなるかもしれません。

 

日本とは全く違う生活様式や生活水準を目の当たりにすることによって、「ああ、世界はこんなにも広いんだ」とか、「自分はなんて恵まれているんだ」などというある種の境地にたどり着くこともできるでしょう。

 

駐在員と語学力についても記事を書いています。

海外駐在員は英語ができなくてもOK? - 中国で駐在員

中国語習得から得られる「儲け」は小さい? - 中国で駐在員

 

8.ビジネスマンとしての市場評価が高まる

上記のように、海外駐在を通じて得られる語学力やバイタリティ、ビジネス経験を評価してくれる人材市場も豊富にあるでしょう。

 

日本国内の市場は総じて縮んでいきますので、海外とのビジネス関係は今後も深まっていくはずです。

 

海外に行ったことのある経験は、ビジネスにおいてマイナスになることはないでしょう。あ、もちろん、日本のビジネス社会を閉鎖的だとかレベルが低いなどと言って見下すようなことはもちろんマイナスです。

 

日本人としてビジネスマナーが身についていれば、海外でも働ける、働いたことがあるという魅力は大きいはずです。

 

9.夜の店を楽しめる

ここからは、人生とか生活的な意味でのメリットになります。

 

聞いたことのある方やイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、お金が貯まって、物価も安くて、日本ではない社会に暮らしていれば、当然いろいろな娯楽に足を踏み込んでみたくなるでしょう。

 

男性でしたら、女の子のいる店に行ってみることも、社会人経験として悪くないと思います。いろんなレベルのお店がありますので、危険なことに巻き込まれない程度に楽しむことは、何も悪いことではありません。

 

お店も女の子たちもビジネスでやってるわけですしね。日本でキャバクラやガールズバー、風俗に行けばそっけないサービスで高額料金が取られてしまうような場合でも、海外ではもしかしたらドはまりするような楽しい体験が格安で楽しめるかもしれません。

 

男女問わず、別にいかがわしい店ではなくても、都心の景色や雰囲気のいい店で優雅にお酒を楽しむことなんかも、海外駐在ではそのハードルがぐっと下がるような気がします。

 

中国で夜のお店に興味がある方はこちらの記事も参考にしてみてください。

kankuro127.hatenablog.com

kankuro127.hatenablog.com

 

10.日本人との人間関係も楽しめる

少ない日本人同士、海外では特殊なコミュニティ意識があります。在留日本人が数百人を超えるような大きめの都市では日本人だけで組織したスポーツクラブ活動や、県人会、大学同窓会などの集まりがあります。

 

日本だったら、あえてそんなイベントに参加しないという方でも、特にこちらでビジネスをしていて一定の人間関係がある方なら自然と声がかかり、日々の慣れない生活の苦労を分かち合ったり、時に助け合ったりするような関係になります。

 

海外に来たら、同じ日本人としての仲間意識が強くなりますね。

 

同じ地域に駐在していたという関係が帰国後も続き、家族ぐるみの関係になる方も多いようです。一つの地域に、日本人が通うような学校は一つしかないということもよくありますからね。

 

11.珍しい観光ができる

日本で働くサラリーマンが海外旅行に行こうとすれば一大事ですよね。ゴールデンウィークや年末年始のまとまった時間を使って、みんなが行くようなオーソドックスな場所に行くとか、団体ツアーに乗っかって効率よく時間を使えるよう注意した旅行しかできないはずです。

 

しかし、海外に住んでいれば、それこそ週末で世界的観光地に行くことだってできちゃいます。それも、鉄道やバスなどの手軽な交通機関で。

 

私が中国で駐在しているこの6年間では、週末や長期休暇を使って多くの都市や世界的観光地を見て回りました。

 

ヨーロッパ圏に駐在経験のある友人などは、パスポートフリーで多くの有名な都市にもっと気軽に行けてしまうようですね。うらやましいです。

 

気軽に行けるだけではなく、普通の日本人では気軽にいけないような、レアな観光地に生けちゃうということもあるでしょう。例えば、交通の便が悪く時間的に難しいとか、わざわざ行くようなメジャーな観光地ではないとか、現地語がわからないとたどり着きづらいとか、そもそも外国人には知られていないとか、いろんな理由で「気軽に行けない」という観光地を皆さんも一つや二つご存じのはずです。

 

12.子供がインターナショナルに育つ

これは多少の運要素もあるかもしれませんが、お子さんがいる方が家族とともに海外で暮らせば、子供は海外の生活環境から多くのことを吸収してくれるでしょう。

 

外国語力はその最たるものですが、一昔前までは一部の商社マンとか外交官の息子みたいな人たちの特権であった「帰国子女」というステータスは、駐在しているあなたの子供にも与えられるものになっています。

 

語学力以外にも、国際的なコミュニケーション能力、物おじしない態度、日本にとらわれない考え方等、変化の激しい現代社会に生きていくためにはかなり有用なスキルの数々です。

 

日本人の多い地域に行けば「日本人学校」に通わせる場合も多いでしょう。日本人学校に行って日本式教育を受けたとしても、学校以外の生活時間は無限にありますので、仕事を通じて知り合った現地人の知り合いの子供や、週末、休暇に行く旅行などを通じて子供に最大の資産を残してあげることができます。

 

 

以上、思いつく限り、海外駐在員として海外に住むことのメリットを挙げてみましたが、突き詰めればまだまだいっぱいあると思います。

 

 

ちなみに、日本の外務省が発表している令和2年時点での海外在留邦人数は約135万人、コロナ前の海外在留邦人数が最も多かった年で令和元年の約140万人程度ですので、日本の全人口の1%強程度しか海外に長期滞在していないんですね。

 

その中には、海外駐在しているご家族について言っているだけという奥様方、お子さん、留学生なども含まれていますから、純粋に会社から派遣されて駐在員として働かれている方はもっと少ないですね。日本国民全体からしてみれば、0.5%にも満たないかもしれません。

 

そんな限られた海外駐在のチャンスですが、手に入れてしまえば上記のような無敵モードに近いメリットを得ることができます。かといって、特別優秀でなければ駐在員になれないのかというと、そうでもないと思います。

海外駐在=優秀?-海外駐在員(駐在経験)は必ずしも優秀を意味しない- - 中国で駐在員

 

皆さんも、海外駐在を目指してみるのもいいのではないでしょうか。