中国で駐在員

30代男、未婚、2016年から中国駐在(企業派遣)

中国人の給料について真剣に考察してみる(その2)

 

中国広州で駐在3年目のカンクローです。

 

引き続き、中国人の給料事情について、書いていきます。

 

「北上広深」に隠された格差

中国人はよく「北上広深」という言葉を使います。これは中国の四大主要都市である北京市上海市広州市深セン市の頭文字を並べた単語です。「ベイシャングワンシェンの奴らはいいよなあ」とか、「ベイシャングワンシェンに家が持てればそれだけで金持ちだ」とかいう風に使います。

 

それぞれの都市の経済規模(GDP)の順位は、上海、北京、深セン、広州という順番ですが、一人当たりの所得が高い順に並べると、深セン、広州、北京、上海という風になります。

 

意外ですか?北京や上海の一人当たりの所得って、深センや広州に比べれば大したことないんです。

2018年の統計資料や報道などにある一人当たりGDPを見てみると、

深セン市=18万元(=280万円)

広州市=16.5万元(=250万円)

北京市=14万元(=215万円)

上海市=13.5万元(=207万円)

 

ちなみに日本全体の一人当たりGDPは27.5万元(=425万円)ほどです。東京や大阪、比較的貧しいと言われる四国地方、沖縄などをすべて含んだ平均です。

 

大都市に出稼ぎに行くのが当たり前

中国の他の都市の一人当たりGDPは10万元に届けばまだいいほうです。例えば、皆さんが名前くらいは聞いたことがあるであろう内陸部の大都市「重慶市」は一人当たりGDPが6.6万元(=100万円)、「成都市」では9.5万元(=146万円)などとなっています。

 

これらは、都市の生産力(GDP)を人口で割っただけの数値ですが、所得にはモロに影響します。中国全体の平均はまだ6.7万元(=103万円)ですから、「都市部に行けば稼げる」というのがわかります。

 

平均が6.7万元で、大都市群ではその倍以上の数値なわけですから、平均以下に貧しい地域というのは、5万元にも満たないわけです。中国人たちにとっては、「北上広深」に出稼ぎに行けば、とりあえず年収が数倍になる、という現実があります。

 

人々の所得は低くても家の価格は上がっていく

代表的な都市も含めて、サラリーマンの平均所得は日本のそれの半分しかないのですが、生活費は否応なしに上昇しています。想像ですが、正直、日本人的な「貯蓄」は現代中国人たちには無いと考えられます。

 

例えば、広州市内でさえ、不動産価格は東京並みです。中心部のマンションは80平米程の家族向けマンションで軽く600万元(≒一億円)を超えます。設備がとりわけすぐれているわけでもありません、オフィス街というわけでもありません。中心部まで通勤に1時間くらいかかるようなマンションでも、地下鉄まで歩いていけないような場所でも、最低で200万元(約3000万円)はします。

 

食事は、昼食に20~30元(約300~500円)、夕食に40元(約600円)は使います。デートでレストランを使うなら100~200元(約1500~3000円)、日本食レストランなどに行くと安い場合でも2人で300元(約4500円)は使います。

これは、日本での衣食住水準とほとんど変わらないですよね。

 

今後、別の機会に中国の不動産や食事に使うお金について、もっと詳しく書けたらなと思っています。