日本はモノが安く買える国―中国の経済事情と個人の成功―
中国駐在4年目のカンクローです。
この前中国人の友達と話していて面白いなと思った中国人の考え方、経済に対する見方などがあったので、書いていきたいと思います。
登場人物は、
A(中国の地方公務員、親も公務員の裕福な家庭)
B(中国の起業家、地方銀行に20年勤務後、国内商社ビジネスで独立。)
です。
二人は、私が日本人であることもあり、日本のサラリーマンの経済事情などをよく聞いてきます。その日は、大体自分が日本に帰ったらいくらくらいの給料をもらい、いくらくらいの家を買い(もしくは家賃いくらくらいで家を借り)、どんな家計で暮らしてくのか、などに話が及びました。
都内でも、普通のサラリーマンであれば、3000~4000万くらいの家を買い、ローンを払いながら給与労働をし続ける。最近、1億も資産があれば、資産運用でだいぶ楽をできる、なんていう議論がにわかに行われている、ということを紹介したところ、「なんて楽なんだ、日本は」というのが二人の意見でした。
1億あっても、多少いい家を買って終わり
1億円は大体600~700万人民元ですが、中国の大都市ではまともな家を買って終わり、という金額のようです。
車も欲しい、さらに別のマンション投資をする金も欲しい、というのが現代中国人のスタンダードです。もちろん、ここにたどり着けない労働者もたくさんいるのですが、一般的なマインドセットとして、1億もあれば十分、なんていうことは考えないわけです。
僕と話していた2人は比較的裕福ですが、珍しいレベルではなく、彼らは自分で住む必要もない「家」を毎年どんどん買いあさっています。
人民元の目減りを恐れる中国人たち
「爆買い」なんていう言葉がはやったのは5~6年前だったでしょうか。中国の中間層の所得が上がり始め、日本にいいものを安く買いに来る中国人が大勢いた現象ですね。
彼らにとっては、国内でマンションを買うのも同じことです。
すなわち、人民元を大事に握りしめていても、その価値はどんどん目減りしていくと言うことに恐怖心を持っているからにほかなりません。
去年100万円で買えてたはずのものが、今年は105万円出さないと買えないなんていうことが起こっている社会ですから、彼らはどんどんお金を使うのです。
都市部は確実に日本社会よりも力をつけている
経済力とは購買力だという認識の下で話をしますが、中国の都市部では、すでに一般サラリーマンや公務員の給料が日本人と同等か、それを上回るほどにまでなっています。
月の給料が1万数千元(20万円)ほどと聞くと大したことが無いよう思うかもしれませんが、都市部の中国人の多くは持ち家で、一括購入済み、家賃も無く、20万から差し引かれる税金も日本サラリーマンのように10%も20%もありません。
20万円は、そのほとんどが可処分所得になることを考えれば、日本人の若者たちよりも使えるお金が多く、インフレ社会であることを考えれば使うべきお金も多いことがわかります。
消費が消費を生む、好循環がいまだ続いていることを感じさせられます。