中国で駐在員

30代男、未婚、2016年から中国駐在(企業派遣)

都市部不動産はまだまだ上がり続ける-中国人の資産運用事情③-

中国駐在4年目のカンクローです。

 

前回に引き続き、中国における資産運用事情を説明していきたいと思います。

これまで、中国人たちの中国での資産運用は日本のそれとは桁が2つも3つもちがうんだよー、ということや、

預金金利は日本の300倍-中国人の資産運用事情①- - 中国で駐在員

 

毎日もらえる、毎月もらえるなんてのが当たり前、定期預金や投資信託にしても期間は1日~3年程度で様々あるんだよー、ということを書いてきました。

「毎日もらえる」が当たり前-中国人の資産運用事情②- - 中国で駐在員

 

興味があれば、リンク先の記事も読んでみてください。

 

次に、もう少しコアなというか、経済成長真っただ中、米国をも優に抜くと言われる中国のノーリスクハイリターンな資産運用市場の中で、少しばかりリスクを取っていくとどんな運用方法になるのかを書いていきたいと思います。

 

中リスク~高リスクの投資信託(年利8~15%)

上にリンクを張った資産運用②で説明した「基金投資信託)」ですが、2~6%程度なんて、まだまだ銀行の定期預金や実体経済の成長率と変わらないまさに「ノーリスク運用」の範囲でしかないということを説明してきました。

 

中国においては、大手国有銀行の3年定期預金金利が4%にも達する(預入額にもよる)世界ですから、4~5%の利息収入なんていうのは、現代中国人にとって何もしていないのと同じなわけです。

 

全世界のどの地域にも増して爆速で経済成長中である、と政府が全面に立ってアピールして、アメリカ経済に対してもイキっていますので、国民がそれを信じられる根拠も必要になってきます。

 

経済成長の程度と同じ程度に安定的に得られる利息収入、経済成長の恩恵があるからこそ、一般中国市民には「われらが共産党は正しい!」なんていう信仰を持ち続けられるというわけです。

 

話を戻しますが、このため、多少リスクを取った投資信託商品には、8~15%程度まで利益を還元できると唄う金融商品も多くあります。ちゃんとした投資になってきますので、この辺りはすべての人が手を出しているわけではありません。

月または年によっては上がり下がりを繰り返し、数か月、数年に渡って一定期間その商品を持ち続けた結果、年平均これくらい上がっている、というパターンが多いようです。

 

リテラシーの高い中間層はもはや日本人より多くの所得を得ている

私の友達に20代公務員の男がいますが、両親からもらった種銭を基に、30万元(500万程)を基金に突っ込んでいたところ、1年半で45万元(750万円程度)になっている損益収支画面を見せてくれました。特にうれしそうな様子もなく、「まあ、普通かな」というような態度でした。

 

ちなみに、この投資信託は銀行や証券などのプラットフォームが多くの人々から資金を集め、中国国内不動産や新興企業などに投資を行い、利益を得るものです。ニュース等でご覧になった方もおられるかもしれませんが、中国にも不動産投資が失敗してゴーストタウン化した町などがあるように、不動産投資も確実ではありません。

 

不動産投資(年利20~50%)

不動産投資にもいくつかの種類があります。初期投資は莫大になるが利益や利率も大きい「中心都市の不動産購入」と、初期投資も利益も小さい「地方都市の不動産購入」です。

 

中国の不動産価格、その上昇率は、都市部と地方で大きな差があります。俗に言う北京・上海・広州・深センなどの「第一線都市」と呼ばれる大都市では、今でも年10数%の割合で不動産価格が上昇しています。

これを買って、ただ待っているだけもよし、誰かに貸して家賃を取るでもよし、これで収益率はこれまで例示してきた資産運用よりも格段にアップします。

 

日本の不動産投資では、借り手がつかなければ損をするという前提がほとんどだと思いますが、中国では、買った後放置していれば勝手に不動産価格が上がっていくので、数年後に売却するだけで利益が出ます。

 

ラクな商売と思う方もいらっしゃるかと思いますが、これこそまさに一部の人々に「バブル」と呼ばれているものの正体です。

中国経済において規模的に上位にランクインしてくるのは不動産事業をベースにした企業ばかりですし、いわゆる「中国の金持ち」の金がどこから来るかと言えば、もともと中心都市に持っていた不動産が爆上げしたことによる不労所得ばかりです。

 

以前書いた、「中国人の給料事情シリーズ」の中でも述べたことがありますが、今の一般的な中国人は、労働による所得で中心都市に一般的な不動産を購入することは(たとえローンを使ったとしても)困難です。

中国人の給料について真剣に考察してみる - 中国で駐在員

 

その結果起こっている現象として、大都市中心部の空き家問題があります。

貸す必要が無いため、買うことも借りることもできない投資用物件が都市の中心部に多々あり、自分が住むマンションのほとんどの部屋が空き家であるということがたまに起こるわけです。

 

ちなみに、私が以前住んでいたマンションにはワンフロアに6つの部屋がありましたが、そのうち4つに住人がいませんでした。まあ、借りている側からすれば、隣がいないのは静かでいいんですけどね。

 

長くなってしまいましたので、この記事はここまでとします。

次回は、中国最強の投資(?)である「店舗運営(ラオバン)(年利100%~)」について説明していきたいと思います。