中国で駐在員

30代男、未婚、2016年から中国駐在(企業派遣)

【2021年4月】中国国内のコロナ状況―感染対策大成功の一人勝ち状態―

中国で駐在5年目のカンクローです。

 

「中国は3連休、国内各地に旅行者」というような内容のニュースがあったので、私も中国に住んでいる視点から最近の中国国内の様子を簡単にご報告したいと思います。

 

僕は、武漢市でコロナが爆発したころから、日本には一度も帰っていませんので、その当時の様子が気になる方は、是非当時の記事も参考にしてみてください。

 

(2020年1月)新型コロナウィルスの流行(広州からお届け) - 中国で駐在員

(2020年2月)【コロナ】2月15日、まだ広東省にいます。 - 中国で駐在員

(2021年2月)中国国内のコロナの現状 - 中国で駐在員

【その後のコロナ記事も更新中です】

(2021年4月)モノからもコロナ感染?―完全制圧後にわかる新たな感染経路― - 中国で駐在員

(2021年5月)【2021年5月】中国国内のコロナ状況―ワクチンは外国人も無料!いつでも打てる!― - 中国で駐在員

 

コロナを「完全制圧」、すでにマスクも不要

日本国内にいらっしゃる方は、中国のコロナ感染って最近はどんな感じなのかな、ということが気になるのではないでしょうか。

 

端的に表現すると、中国国内はコロナを完全制圧し、ほぼコロナ流行以前の日常を取り戻しています。

 

レストランに入るときマスク着用や体温検査を求められることはありませんし、会食に人数制限もありません。お酒を飲みながら大声で談笑していても特に気になりませんし、店員や自粛警察から注意されることもありません。

 

ホテル、デパートでは、入り口に人が立っていて「マスクをつけてください」と言ってくる場合もありますが、今ではそういった対策を行っていない施設も増えてきました。

 

 

健康コード登録・確認体制が普及

僕はしばらく日本に戻っていないので、日本の状況はよくわからないですが、行政主導で開発したCOCOAという感染経路確認のためのスマホアプリの普及がうまくいっているとかいっていないとかいう報道をよく目にしています。

 

この、アプリによる行動管理は元々中国国内の感染対策を参考にして日本でも導入されたもの、ということを知っている方はあまり多くないのではないでしょうか。

 

中国では、2019年末のコロナ流行開始以降1~2か月の間に、健康コードで人々の移動を管理するという手法が始まりました。

 

当初は、外国人のパスポート情報入力に対応していなかったり、作業員が熱心に確認しない等、あっても無くてもいいような運用がなされていましたが、少し経てばその管理が厳格化され、外国人も含めて皆が登録しなければ生活に支障が出るようになってきました。

 

中国に住む多くの外国人も、はじめは、日本でなされていたような「人権」の観点から「強制され得ない」とか、「中国共産党に自分の行動を知られるなんて」、というような意見が叫ばれていましたが、今となっては、そういった対策があるからこそ、感染者のいなくなった社会で安心して暮らしていけている、という感覚に変わっている方がほとんどです。

 

公共交通機関、ホテル、別の都市への移動時等には、その入り口や節目となる地点で健康コードの確認のみ求められています。

 

最近の感染者は13億分の1ケタ~2ケタ

日本では、緊急事態宣言解除後も、東京で数百人、大阪で数百人、何々県で一日の新規感染者数が過去最多、などというニュースが続いていますね。

 

一方の中国では、13億の人口を抱えながら、一日に確認される感染者は一桁~二桁程度です。

 

街に感染者が少なければ少ないほど、別の人に感染する可能性も小さいため、感染者の減少傾向も好循環していくのは、なんとなく想像がつきますね。

 

「中国ではコロナの封じ込めに成功している」という報道は日本でもありますが、ネットユーザーから否定的なコメントが多くついています。

 

中国共産党によって本当の感染者数データは隠されている」とか、はたまた「日本人にできないことを中国人ができるわけがない!」という上から目線なのかわかりませんが、中国に暮らしていて、農村部にも行くことのある自分の感覚としては、中国のコロナ対策は功を奏しています。

 

ただ、これができたのは、なんといっても強権的な政権や法制度があるからです。日本でそれができないことは、ある意味仕方のないことです。

 

厳格な入国措置

もう一つ、中国のコロナ対策で特筆すべきなのは、新規入国者の隔離です。

 

現在、中国に新規入国できる方は、かなり限られています。

 

留学生はダメ、旅行者はダメ、中国政府から招聘状を受け取ることができないビジネスマンもダメ、その家族も基本的にダメ、中国の制度上の永住権を持っている外国人はそもそもかなり少ないですし、技能実習などという外国人労働者を受け入れる制度も無ければ、そんな方々に頼らなければ成り立たない企業もありません。

 

中国は、中国だけで成り立つ社会を作っています。

 

中国政府から招聘状を受け取ることができるビジネスマンとは、中国政府にとって価値がある経済活動と認められた事業に関わるビジネスマンです。

 

それも、かなり厳格に、大手企業の人間であろうと「価値がある」と認められず、入国できない状況が続いているようです。

 

経済的な独立性を保てる国力が、本当にうらやましく思える現状かもしれませんね。