日本は「仇の美人な一人娘」
中国で駐在4年目のカンクローです。
もうすぐ人事異動の季節ですが、僕は相変わらず中国駐在の日々がまだまだ続きそうです。
今日は、日本人や日本(国)が今中国の一般市民からどう思われているか、普段の生活の様子なども交えながら書いていきたいと思います。
経済発展に伴って、冷静な無関心が増えてきた
みなさんが名前を聞いたことのあるような都市に暮らしていると、日本人だからといって特別不利益を被るようなことはまず起こりません。
もちろん、こちら側が相手を見下すような言動や態度でいれば、相手を怒らせ、不要な衝突を引き起こすのは当たり前です。
あくまで、同じ人間として互いを尊重するような態度をとっていれば、日本人だというだけで何かをしてくるような人や暴言を吐いてくるような人はいません。
思うに、この中国人たちの日本人に対する態度は、中国の経済発展とそれに伴う自信とプライドの変化から来ています。
中国の一人当たり平均のGDPは150万円程度でまだまだですが、国としてのGDPはすでに日本の数倍に達しており、2030年代には中国経済が世界一になるというのは中国国内でも既定路線のように語られています。
対して30年間くらい経済成長が伸び悩んでいる日本なんて、かつての仇であるとはいえ、もはや「どうでもいい相手」に成り下がってしまっているのかも知れません。
「仇の家の美人な一人娘」
許せない、でも学ぶべきところや憧れるところがある、こんな事情を形容する言葉としてよく使われるのがこの言葉です。
なんとなくイメージがつけばいいと思いますが、自分の家のとなりにすごく素行の悪いおじさんがいて、家族全体で迷惑をかけられている、でも、その家の娘さんはとびきり美人で、正面から批判することで娘さんから嫌われてしまったらショック、こんな意味だそうです。
美人で憧れる点というのは、日本の進んだ技術だったり、綺麗な街並みだったり、保全された伝統文化のことを意味すると言われます。
でも、経済力や技術力、ある面においては社会の発達具合まで、現場にいる我々の感覚では、すでに中国に追い抜かれているような部分さえあると言えます。
残る敵はアメリカのみ
一般市民のお金の使い方や、経済に対する見方は、日本のそれよりかなり積極的です。将来に対する展望も明るく、努力をすればいい世界にたどり着ける、みんながそう考え、まだまだ農村部を中心に伸びしろが残されているからこそ、日本など相手にする必要は無くなってきているのでしょう。
弱い相手にいつまでも威嚇を繰り返すのは、彼らとてプライドが許さないという面もあります。
今、彼らの前に立ちはだかるのはアメリカのみです。
あまり日本のメディアでは語られませんが、最近は「朝鮮戦争において、アメリカが中国(が送り込んだ義勇兵)にどんな仕打ちをしたか」を胡散臭いドキュメンタリー映画で、被害者面をしながら宣伝しています。
そう、まさに1970年代以降、日本を発展の目標に定めた中国が、対抗意識を煽るためにやってきた政策と、全く同じことがアメリカ相手に起こっています。