中国で駐在員

30代男、未婚、2016年から中国駐在(企業派遣)

【コロナ】2月15日、まだ広東省にいます。

中国広州で駐在3年目のカンクローです。

 

前回に引き続き、コロナウイルス関連のことを書いていこうかなと思います。

前回の記事は1月26日でしたから、ざっと3週間くらいが経っているわけですね。僕は新聞記者でもルポライターでもないので、あんまり更新頻度も情報の質も高くないのはご容赦ください。

 

ただ、今この時期に、湖北省武漢に次ぐ大感染地帯とも言われる「広東省」にいる僕が、日本人として比較的貴重な体験をしていることも事実かな、と思いまして、いろいろお伝えしていこうと思います。

 

感染者数の現状とか

前回記事を書いたときには、広東省全体でも数十人程度の感染者数でしたが、2月13日時点の中国政府の発表では、

広東省1,241人、そのうち広州市327人、深セン市391人と発表されているようです。

かなり増えましたね。ですが、1241人の中で死んだのは2人だけです。地元政府の発表はやたら細かくて、年齢、性別、最近武漢に行ったかどうか、武漢から来た人と接触歴があったか、持病の有無などが書かれています。

 

まあ、それもそのはず、広東省で発症している1200何人のうちでも、交通封鎖が始まる前に武漢から各地に旅行に来てた人とか、里帰りしてた人がたくさんいるわけです。1000人くらいは、武漢やその省である湖北省関係者とのことです。

 

最近は、「湖北省から来た人は強制隔離」みたいな条例が定められたりしています。というか、今湖北省から出られるのかどうか知らないけど。

 

いたるところで体温検査・マスク強制

これは、中国にいてすごいなーというか、日本と違うなと感じるところなのですが、「マスクをつけなさい」「体温検査必須です」というのが、町全体、国全体で行われていることです。

 

最近日本に帰ってませんが、日本では、「インフルが流行ってます、マスクをつけましょう!」とか普通その程度じゃないですか。

 

今の中国だと、「マスク付けないと電車・バス乗せません」「マスク付けないとスーパーで買い物させません」「マスク付けないと出勤しちゃいけません」なんていうのが徹底されてます。

前回の記事でマスク買い占めの様子を書きましたが、まさに、マスクが無いと生活できない状態になっています。今は当然、マスク買えないです。コンビニ、薬局、スーパー、あらゆるマスクが品切れです。噂によると、マスク業者は普段の卸売り業者に卸す前に、政府から徴用されるとのこと。政府は、医療関係者を最優先に、マスク配給制にしています。

日本各地から「マスクを中国に贈る」なんていう取り組みがあるようですが、あれも政府が必要な人に配る、という使われ方をしているようですね。

僕の周りで、そんな配給を受けた人などは聞いたことないですが。

 

ちなみに僕は、日本の家族から500枚くらいを郵便で送ってもらいました。これでしばらくは生きれますね。

 

また、体温検査も結構ガチでやってます。スーパーやデパートの入り口、地下鉄の入り口、バスに至ってはすべての運転手がおでこにかざすタイプの「体温計」を常備していて、入るときに測定されます。

 

体温が高いだけで強制隔離

体温が37.3度を超えているのが見つかると、近くの診療所などから医療スタッフが駆けつけてきます(自転車とかで)。その医療スタッフが再度体温を測りなおして、やっぱり37.3度を超えていたら、即隔離です。14日間、何もない病棟やホテルの一室に閉じ込められ、生活を監視されます。

 

また、その人の生活圏(同居している人)とか、公共交通機関で最近その人と居合わせた人などもすべて隔離されます。その追跡ができるように、長距離公共交通機関(鉄道とか、長距離バス)で実名登録が行われます。

 

余談ですが、Tic Tokでは、強制隔離を受けている人がその様子を公開していたりします。絶対行きたくない。つまんなそうな生活です。

 

政府は、マスク着用や体温検査を拒否したり、作業員ともめたりすると、法的処罰がなされると発表しています。

 

すごいぞ、この徹底ぶりよ!

ヤフーニュースでコメントを見ていると、日本政府の対応の緩さに嫌気が差している人がたくさんいらっしゃいますね。中国のこんなやり方、いいと思いますか?何も自由なんか無いですけど、あなたもその「強制執行」の範囲に入りますけど、いいですか?僕は、まあまだ日本のがましですね。

 

一人でも感染者が見つかると、マンション全部が立ち入り禁止に?

いくつかの地元報道では、一人感染者がみつかったら、その人が住むマンション全部を隔離し、住民の一斉診療が行われ、しらみつぶしに感染者探しが行われるそうです。写真付きの報道があります。

 

もちろん、友達が訪ねてこようが、宅配便が雇用が、だれも入れなくなります。マンション全部ですよ。入り口には柵が置かれ、防護服を着た人がマスクと体温の検査を始めます。

 

住人の移動に影響があるわけではないですが、各地で道の封鎖、町への「入り」も制限され始めています。つまり、武漢人を念頭に置いて、よそ者は入れない、ということですね。

 

驚異の「外食全面禁止令」

これもすごいなーと思ったのですが、今広州市では、「レストラン内での食事が全面禁止」になっています。

 

一体何を言っているかわからない、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そのままです。町にあるあらゆるレストラン、ラーメン屋も、鍋も、串屋もピザ屋も、マックもケンタッキーも、サイゼも、あらゆる店が営業停止か、持ち帰りのみ対応にしています。

 

こっそり営業をしている店を見つけたら通報してください、なんていうのが政府の発表に出てくるんですから。

 

すごい。すごすぎる!

 

当然、市民にとっては不便ですよね。外食産業は壊滅しますよね。投資家も黙っちゃいないですよね。でもそんなことはどうでもいいんです。中国は、政府が、共産党がやると決めたらやるんです。

 

 

わけのわからない外務省スポット情報

僕はまだ広東省広州にいるのですが、僕が勤務している会社や、関係のある会社さんたちも、徐々にご家族のみを帰国させています。

 

1月末まで「春節」の長期休暇だったので、それを機に日本に帰り、そのまま中国には戻ってきていない、という人もいるようですね。

 

外務省は、「海外安全情報」というのを出していて、注意喚起その10、まで出ていますね。それによると、「日本への早期の一時帰国や中国への渡航延期を至急ご検討ください」。まじで、よくわからないです。

 

「検討」した結果、帰らないなら帰らないでいいんか、というかんじですね。社畜大国日本の国民は、このインフル流行に毛が生えた程度の災害じゃ、毎日提示出勤からの深夜残業までこなしますよ、と。

 

締めの言葉

公共交通が制限されており、いろんな企業も営業を開始していない関係から、広州のような大都市には、「地方からの出稼ぎ労働者が戻ってきていない」という事情もあります。今、街には人が少ないです。ゴーストタウン、とまではいかないですが、だれも外に出ないですね。出ても、店開いてですし。

 

我々外国人からすると、なーんにもない街です。家でだらだらしてるくらいですかね。

でも、食料などの物資は割と普通にあって、市民は混乱してないみたいです。

 

それではまた。